ここでは、私の本との出会いについてご紹介しましょう。
私が記憶している本との出会いは、中学時代にさかのぼります。マンガ以外で覚えている書籍といえば、元西武ライオンズ監督である広岡達朗氏の著書「意識革命のすすめ」です。中学2年生の時に読んだこの本は、今でもマネジメントの際に参考にしています。それ以外で覚えている本といえば「窓ぎわのトットちゃん」や「気くばりのすすめ」「プロ野球を10倍楽しく見る方法」など、ベストセラーになった本ばかり。どちらかというと、本はあまり読まない方でした。独立後でも本はほとんど読んでいません。
私が講談社から出版した書籍「成功の瞬間」で実施したアンケートによれば、経営者の多くは起業する前に読んだビジネスの本は5冊以下です。私もその中の一人でしょう。このアンケート結果は、独立、起業の成功とビジネス書の読書量は比例しない、ということだと思います。このカラクリの理由は簡単です。ビジネス書の多くは過去の成功について書かれた物であり、経営で必要なのは自らが未来を作っていくことだからです。過去の成功を参考にする程度の読書であればよいのですが、勉強ブームの今、読書で事前知識を得すぎ、本から得た情報で全てを解決しようとする人が多いのは、残念な事実です。但し経営者となって以後は、多くの書籍に学びを得なければ経営はうまくいきません。この相反するバランスと情報インプットのタイミングが経営者が行う情報収集や読書には必要になってきます。
会社を興して以降は、主にドラッカーの本を読んでいました。それ以外は船井幸雄氏、大前研一氏、A.トフラーの書籍などです。ランチェスター経営の書籍はリクルート時代によく読んでいました。
ちなみによく読んでいたマンガは、「がんばれ!タブチくん」「タッチ」「みゆき」「コロコロコミック」で、今読んでいるマンガは「ガンダムエース」です。
そういう私が自ら書籍を執筆、出版し、自らも出版社を立ち上げていくことになるとは思ってもみませんでした。
会社を興して6年くらいが経ち、NTT事業を撤退して時間が出来た頃に、私は最初に書籍を出版しました。2002年頃の話です。今思えば時間があったからできたことです。経営の最前線にいる忙しい頃では、不可能だったと思います。
私が最初に出版した書籍は「「図解・成功ノート」(起業家大学著、神田昌典監修、三笠書房)という共著です。この本を出版するようになったきっかけは、神田昌典氏からのお誘いをいただいたことでした。2003年4月に4人の共著+監修で出版。これが、起業家大学(現、NPO法人起業家大学)のスタートです。この本は20万部を越える大ベストセラーとなりました。
このヒットがきっかけとなり、その約半年後に「お金がないから成功できる”波乗り経営”」(フォレスト出版)を出版。初の単著本ながら3万部を越えるヒットとなりました。
これらの出版実績から、次々と出版社からお声かけをいただき、その後、「図解・1億円ノート」(起業家大学著、三笠書房)、「図解・スピードノート」(起業家大学著、PHP研究所)と10万部を越えるベストセラーを出版。年間ベストセラーランキングにも何度か登場するまでになりました。
それ以後も、「一瞬でキャッシュを生む!価格戦略プロジェクト」(神田昌典監修、ダイヤモンド社)、「成功の瞬間」(講談社)、「起業家プロの発想力」(成美堂出版)などを出版し、2012年10月刊行の「仕事に活かす!マインドマップ 」(PHP研究所)にて、おかげさまで100万部を超えることとなりました。
これら自らの経験を元に、企業が書籍を出版する際に必要な知識や手段を研究し、コンサルティングサービスとして提供するようになりました。また、それらの成果は、日本出版学会で2009年から毎年研究発表をさせていただいております。その内容は「企業出版入門」(キャリア教育出版)及び「エッセンシャル版・企業出版入門」(起業家大学出版)にまとめ、出版させていただくこととなりました。
これが私の執筆、出版に関するこれまでの経緯です。
主藤孝司